旅の途中で・・・1

熊本ごみしょりおじさんと湯島紀行

2010年04月30日 04:03

中学校を 卒業
15の歳に 島を出た
ホームシックなんて
こんな 立派な不良には
縁の無い話だと
思っていた。
養父は 一年前に死んだし 迷う事も頑張る事も 遠のいて
別に 生きてもよし このまま死んでもよし
漁師に成りたい 気持も 頑固養父もいないし
あえて 死ぬ事もなかろう 島を出る船に 乗りながら
前の晩の 送別会の 二日酔いの 勢いで
「もう 二度と 戻らんぞー
罵声は 船を送り出す人に浴びせた 仕事に明け暮れた
少年が 自由と得て 飛び出す島への別れの言葉であった。
俺は いったいこの島で 何をしていたんだ 何しに来たんだ。
振り返りながら思った。
養父は 厳しかったが 仕事終わりには ”だるやみ”にと
小さなビール瓶を 開けては 俺に飲ませてくれた。
俺は 顔を赤くしながら 真剣に長崎港からのやり出し船の 
遠洋漁業の 夢を見た。
回りが止めるのも聞かず 死んだ養父は
「一人前 働くもんな 体ん 出来とと」と 
自分なりの 理屈を捏ね回しては ビールを 私に注いで
自分は 計り焼酎を 飲んでいた。

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