炊飯器と人の一生 (その4)

熊本ごみしょりおじさんと湯島紀行

2010年04月02日 11:09

おじさんの 独特の
自己納得が 始まっていた。
(本当に悪なら出てこない
それに 人間究極に
成ると魔がさすもんだ)と

貧乏青年は 翌日から
出勤するようになった。 多少周りから 変な目で見られる事を
意識しながらも 彼は 食うための仕事に 一生懸命であった。
一日が終えると 初日給を 渡して 
”もう 妙なこつ すんな 毎日日給ば やるけん 自分と
  生活を 立て直すごつせにゃー
 多少 人は良か目じゃ 見らんばってん ぬしに与えられた
罰と 思とかにゃ よかか”
と伝えたら
”ナーン 俺るが 馬鹿だったつだけん よかです。”
帰って行く後姿に 今耐えて男になれ 夢を持て 立ち上がれと
過去の おじさんに叫ぶように 心で青年に投げ掛けた。

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